Kanon89’s blog

花音鍼灸治療院のブログ

花無心

「花無心招蝶 蝶無心尋花」(花無心にして蝶を招き、蝶無心にして花を尋ぬ)

良寛禅師の禅語だそうです。


ある日、いけばなの稽古の帰り、ふと立ち寄った蕎麦屋の掛け軸にこの言葉がありました。

その日の稽古は納得のいくものではなく、なんとなく落ち込んでいたところに、この言葉がはっと心に沁み入りました。

「花無心」。いけばなで上手く生けよう、趣向を凝らそうなどと考えるのは人間の側の都合。

花自身はそんなこと関係なく己が存在をかけて精一杯咲いている。

その後、こんな詩が生まれました。

「花無心」


花はいい。
何も言わず静かに咲いている。
無心に全身全霊を込めてただ咲いている。
己の存在をかけて精一杯咲いている。
周りは花を愛で、癒され、賞賛するが、そんなことはおかまいなしに無心に咲いている。
時期がくれば散る、何の嘆きもなしに。
花は美しい。
存在そのものが美しい。
そんな花のように生きたい。
花のように生き、花のように散っていけたなら。


治療院の名は「花無心」としよう。

(結局、花音鍼灸治療院に落ち着きましたが。)